こんばんは、Tomです。昨夜未明、熊本の阿蘇山が噴火したそうですね。そう言えば、今年の熊本の地震は、やはりこの噴火の前兆だったのではないのでしょうか?
さて、三連休の初日の今日は、一日雨降りです。カミサンと娘は病院に出掛けると言うので、今日はゆっくりとLINNのプリアンプ、KAIRNの修理に専念出来ますね。
昨日の振り返りとしては、クロックやAD/DAの信号線は、CPUの出力からきちんと出ていますが、メインボード側で電圧が2Vまで落ちてしまう事が判りました。今日はその続きです。
1.信号を追いかける手順
さて、メインボードのコネクタから、IC周りの信号線を目で追いかけてみると、以下のようなことが分かりました。
1)コネクタからの信号は、(SAA1064)というICに入っている。
3)その抵抗は、なぜかトランジスタ繋がっている。
2.実際の信号の波形
次に、実際に信号を確認してみます。
1)コネクタからSAA1064のClock入力への信号
これは前回、見た波形ですね。CPU側は5Vでしたが、2Vまで落ちてしまっています。
2)プルアップ抵抗の反対側
3本の信号線を3つの抵抗で吊っていて、その先はすべて合わさって、トランジスタに繋がっています。このトランジスタ側の信号を見ます。
すると予想に反し、電圧がGNDレベルとなっています。
どうしたもんじゃろのぅ〜?
Tomは思いました。もしかすると、ここは本当は5Vで吊っているのだが、GNDレベルになっているため、ICへ入る信号の電圧が落ちているのでは?
3.リファレンス機の登場
もうここまで来たら、やっぱりリファレンス機と比較するのが早道です。
Tomが毎日音楽を聴いているKAIRNを取り外し、リファレンスにすることに。
TomのKAIRNはおそらく古いので、基板の色や材質が若干異なります。
4.信号を比較
1)Clock信号の確認
まずは、Clockなどの信号線を見てみます。
すると、こちらはきちんと5Vまで出ています。これで正常に通信できてますね。
リファレンス機の信号
NG基板の信号
次に、プルアップ抵抗の先の電圧を見てみます。
すると、やはり電圧は、5Vになっていますね。
どうやら、Tomの予測は当たったようです。
リファレンス機の信号
なので、Clock、AD/DAなどの3本の信号線だけが2Vなんですね。
3)トランジスタの確認
トランジスが怪しいです。
以前も、この基板でこの手の小信号トランジスタが壊れていて、Tomの持論である半導体はそんなに簡単には壊れないというのを覆されてしまったのを思い出しました。
プローブを当てようとしたら、なんだか焼けるにおいがしました。トランジスとを触ってみるとチンチンに熱くなっていました。これですね。
5.トランジスタの型番調査
トランジスタの型番を確認します。
このLINNのKAIRNでは、トランジスタをたくさん使用していますが、型番はあまり見たことがない型番です。
マイクロスコープで型番を拡大してみると・・・・
調べてみると、NPNのローノイズトランジスタです。
今はインターネットで簡単にデータシートが手に入るのでとても便利ですね。
6.トランジスタの取り出しと生死確認
それでは、トランジスタを取り出して、生死を確認してみます。
やはり、NGでした。しかし、なんのタイミング壊れるんだろう?不思議です。
7.代替トランジスタの取り付け
それでは、新しいトランジスタを取り付けます。
当然、Tomの部品ストックには、こんな見たこともないような型番のトランジスタはありませんので、代替品となります。
NPNの小信号トランジスタといえば・・・・そうです、スーパーマンの2SC1815の登場です。
いつも助かります。以前もこれを代替品にしました。
いよいよ取り付けますが、ZTX384はトランジスタの足の順番が異なります。
通常、この手のトランジスタは、左からエクボ(E、C、B)という順番ですが、ZTXはC,B、Eという順番です。Tomは覚えやすいようにシビエ(フォグランプのメーカー)に命名しました。
そこで、足を交差して、且つ表裏を逆に取り付けなければなりません。そのために、交差するCとBには熱収縮チューブを履かせました。
基板に半田つけをするとこんな感じで、ちょっと内股でなよってしてオカマみたいですね。
8.動作確認
これで直るかもしれない!というはやる気持ちを抑えて、慎重に仮組します。(もう何度仮組、ばらしをしたことか・・・・そのたびにトランスを取り外すのが面倒ですね。)
さあ、いよいよ電源をいれて、信号を確認します。
電源ON!
ムムッ!予想しなかった、エラーの文字が・・・
そして信号を確認すると・・・
困った・・・・。
これで直ると思ったのですが・・・・。
どうなっているんだろう?
この三連休中には何とかしたいですね。