Mark Levinson CD TRANSPORT No.37L の修理

こんばんは、Tomです。今日の天気も昨日と同じようにお天気でしたが、空気は冷たく、最高気温は15℃でした。なんだか、気温が低くなり、また戻った感じです。
さて、先週MarkLevinsonのCD TRANSPORT の修理依頼がありました。週末、まず状態を確認し、修理できるかどうかを確認しました。依頼内容は、CDが読めないという事で、ピックアップの交換をしてほしいという事でした。Mark Levinsonと言えば、超高価なオーディオ機器で有名ですが、果たしてどんな故障なのでしょうか?

1.Mark Levinson CD TRANSPORT No.37L
これが、修理依頼を受けたMark LevinsonのCD TRANSPORT No.37Lです。定価は、なんと127万円です。中古でも20~30万円するようです。こんな高価なオーディオ機器を触るのは初めてです。なんだかドキドキしますね。

本体はとても重くがっしりしています。
リモコンもアルミダイキャストでとても重く流石に高そうです。

2.動作確認
さあ、それではいつもの様に動作を確認してみます。

電源ON!

立ち上がるとすぐにDWR OPENのメッセージがでて、先に進みません。
CDトレイオープンのスイッチを押下しても、トレイが出てきません。

3.バラシ
早速バラシます。
インシュレータの下に、別のインシュレータが取り付けられていますね。

TOPカバーのビスを外しま・・・・・あれ?既に1本ビスが無くなっています。

それでは別のビスを外します。

結局、4本のビスのうち2本しかありませんでした。

これでTOPカバーがはずれました。中はこんな感じです。

4.本体内に破損した部品が・・・・・

おや?トレイになんだか変な部品が転がっていました。

そして、シャーシーにも別の部品が貼りついていました。

前の部品と合わせるとこんな感じになります。

そしてもう一つの部品も見つけました。全て合わせるとこんな感じです。

これは、トレイを引き込んだ時にCDを保持するための部品で、ここに取り付いていたものだと思います。

5.トレイの摩擦抵抗を減らす
さて、トレイを出してみます。

ロックもなく、手で手前にトレイを出す事が出来ました。

トレイのクローズボタンを押下します。

少し引き込みますが、止まります。
もう一度、押下します。

4回ほど押下して、やっとトレイを全て引き込みました。
どうやら、トレイのレールが経年劣化でスムーズに動かなくなっているようです。

6.レールに注油する。
そこで、レールに注油を行いました。

CDトレイクローズのボタンを押下します。

かなり引き込みが出来るようになりましたが、一歩手前で止まってしまいます。

7.CDユニットを取り出す。
CDユニットを取り出してみます。

1)固定ビスを4本外す

2)コネクタを外す
次にコネクタを外します。2種類のコネクタが同じコネクタが2個ずつありますね。なので、印が付いていました。

次のコネクタを外す時、右側のコネクタがずれて刺さっているのを発見しました。これは前に誰か弄っていますね。
でもコネクタがずれているとセンサーを壊しているかもしれません。

3)CDユニットを取り出す。

裏側はこんな感じです。

8.ヘッド上昇機構にも注油
どうやら、トレイの引き込みの最後にヘッドが上がるための機構に負荷があるようです。

ここにも注油してみます。

9.トレイ動作確認
トレイの動きもだいぶスムーズになりましたし、コネクタをきちんと挿入するので、トレイの引き込みを再度確認します。

これだけやっても、トレイはスムーズに引き込みません。どうやらレールが歪んでいるのかもしれません。

10.ピックアップの動作確認
CD固定部材を単独で取り付けてCDを認識するかどうかを確認します。

ブラケットを外します。

本当はこんな感じで取り付いていたのでしょうね。

そこでこの部材をダイレクトに取り付けます。

CDユニットを元に戻し、コネクタを取り付け、実際にCDを認識するかを確認します。

電源をONしても、CDを引き込んでも、Playを押下しても、最初のCDを認識するための回転が行われません。

もしかするとコネクタがずれて挿入されて、DwrOPENのセンサーが壊れてしまいセンサーが壊れてしまい、ずーっとOPEN状態なので、CDが回転しないのか、もしくはピックアップがダメなのかもしれません。


11.まとめ

これまでの確認をまとめてみます。

1)CDトレーの摩擦が高く、CDの引き込みが出来ない。⇒レールが歪んでいる可能性あり。
2)DwrOPENの検知センサが故障している。その為、マシンはトレイがOPENだと思い、トレイがOPENしない。
3)CDを認識しない。⇒ピックアップの故障か、それともDwrOPENの為かCDが回転しない。
4)CDを固定するための部品が破損している。

以上 4つの理由から、部品が手に入らないため、修理は難しいと判断しました。
これて同じもののジャンク品を調べてみましたが、ジャンクでも10万円以上はする様です。
メーカーから部品を調達できれば修理は可能なのですが、部品が無ければちょっと難しいですね。
CDドライブが全世界共通ならすぐに直るのにね。高価なだけにちょっと残念です。