LINNのプリアンプKAIRNの修理 シーズン5−その11−

おはようございます、Tomです。昨日に引き続き今日も天気が良さそうです。一昨日、本当に久しぶりに洗車をしたのですが、今週は天気が持ちそうなので助かります。

さて、毎日少しずつ進めているLINNのプリアンプKAIRNの修理もとうとう10回を超えてしまいました。操作パネルは完ぺきに修復でき、これでOKか?と思われましたが、今度は音が出ないという問題に悩まされました。今回は、どこまで進むでしょうか?

1.修理シナリオの振り返り

さて、昨日のレポートに記した、メインボードの修理シナリオを振り返ります。

☑1.電源をチェックし、正しく電源が来ているかを確認する。
☑2.以前同じような故障があったので、その故障でないかを確認する。

3.メイン基板に音声信号を入れ、入力から出力までの経路の音声信号を確認する。
4.DAコンバータ付近の場合、DAコンバータのアドレス、データ、CS、WRなどの信号を確認する。
5.ここまで確認してもNGの場合は、基板を取り出して、観察する。

昨日は、1と2を行い、問題がない事が判りました。本来なら2の所で分かれば良かったのですが、残念です。という事で、今回はシナリオ3の音声信号を入れ、入力から出力までの経路の音声信号を確認します。

信号の経路はこんな感じです。

入力端子→アナログスイッチによる信号セレクト→DAコンバーター→OPアンプ→出力抵抗→出力端子

2.入力セレクタの確認
まずは、DAコンバータ入る前のセレクタまでの信号を追いかけます。

1)入力端子
入力端子の確認です。


これはさすがにクリアです。

2)アナログスイッチ
KAIRNは、入力信号を6つのアナログスイッチで切り替えています。
それが基板中央後方にあるICです。

このICはDG309というアナログスイッチです。データシートをダウンロードしました。

これに従って、電源と信号の入出力を確認します。

1)電源の確認
電源を確認します。電源は±15Vです。

①+15V

②−15V

大丈夫ですね。

2)入力の確認
そして、ICの入力部の信号です。ちなみに6つのアナログスイッチの手前から3個目のICでした。

これもOKです。ちなみに信号の写真は面倒なので同じ写真を活用します。

3)出力の確認
そしてアナログスイッチの出口も確認します。
これも大丈夫のようです。

3、DAコンバータの入出力
アナログスイッチはどうやらOKのようですので、次はDAコンバータです。

1)電源
電源は、+15V/GNDという電源になっています。
電源は問題ありません。

2)入力信号
続いてアナログスイッチからの入力信号です。

これもOKです。

問題はこの後ですが、DAコンバータからの出力は電流で出ますので、オシロで直接見ることが出来ません。そこで、次に進みます。

4.OPアンプの信号
DAコンバータの後はOPアンプとなります。非常にシンプルですね。ここの回路は、以前パターンを追いかけ回路図を作成していたので、アップします。

1)電源
OPアンプの電源は±15Vです。

①+15V

②−15V

2)出力信号
出力も最後の抵抗部で電圧を確認します。
確認結果、−500mV。信号は動きません。

5.考察
どうやら、DAコンバータからOPアンプまでの経路がおかしいようです。
ここで、考察です。

① OPアンプの出力は左右NG
② OPアンプが左右同時に壊れるはずがない
③ 左右同時におかしくなるのはDAコンバータの動作がおかしい。

という事で、DAコンバータに絞り込まれました。
次回は、DAコンバータのデジタル信号を確認します。