LINN プリアンプ KAIRNの修理 シーズン8 -その3-

こんばんは、Tomです。今日も朝からとても良い天気でした。Tomの耳鳴りもとても静かでした。やっぱりお天気は良いですね。
さて、今日の記事もLINN プリアンプ KAIRNの修理の記事です。今日はその3です。前回は修理が完成し、仕上げた所迄でした。でも、心配なので一晩寝かせてみたら・・・・なんと!再発してしまいました。今日は、そこから原因を追いかけます。

1.LEDが表示されない!
一晩明けて電源を入れると、なんとLEDが表示されないではありませんか?そこで故障が再現できたので、折角仕上げたアンプをまたバラしました。

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2.LEDドライバーを追いかける
LEDドライバーの入力は、クロックとデータとデータイネーブルそしてクロックです。これをNGの時とOKの時での比較を行います。

1)NG(LEDが光らない)時
①データ
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②データイネーブル
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③クロック
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一見良さそうです。

2)OK(LEDが光る)時
ところがLEDがちゃんと動作するときは、なんとクロックとデータは、Hになったままです。

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そして、実際にリモコンでボリュームを上げてみると下記のような信号になります。

①データ
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②データイネーブル
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③クロック
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これは、LEDドライバーではなくその信号を出している所がおかしいという事になります。

3.信号を追いかける
さあ、信号を追いかけます。回路図は無いので、実際にプリントパターンを追いかけます。追いかける方法は、目とテスターとスル―ホールの穴に刺す半田です。

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結果、CPUにたどり着いてしまいました。

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4.リセット回路が怪しい?
CPUが電源を入れるたびにおかしいという事は、リセット回路という事になります。

ここがリセット回路ですが、この部品を交換します。

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5.動作確認
リセット回路の部品を交換した結果、30回ほど時間もあけて電源をON/OFFしてみましたが、問題は発生しませんでした。

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OKの様です。
でも、心配なので1時間ほどあけて電源をONしてみると、やはりだめです。

6.バックアップ電源を見る
電源OFFの時のCPUのバックアップ電源を見てみます。

1)正常時
正常時のCPUの電源端子を見ます。バックアップの電源があるので、約4Vになっています。

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2)異常時
でもLEDが光らない時の前の電源端子は、なんと2Vです。

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でも、バックアップ電池の電圧は4Vです。

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というとこは、CPUの何かが動いているという事です。そこでCPUのクロックを見てみると、なんと2V付近で発信しています。

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こうなると、問題はCPUの中身となりますね。
これではTomはどうしようもありません。
出来る事は、問題が発生した時に、外部からリセットを入れることくらいですね。
次回をお楽しみに!