テクニクス ビンテージCDプレイヤー SL-P1200の修理 ーその12ー

こんばんは、Tomです。今日は一日中天気が良く、冬なのにポカポカの陽気でした。そこで、昼食後、カミさんと二人で桜堤を1時間ほどウォーキングしました。
さて、今日の話題も『テクニクス ビンテージCDプレイヤー SL-P1200の修理ーその12ー』で昨日の続きです。
先日、やっとFL表示パネルの修理が出来て、長い間の悩みが消えたと思ったら、今度はスピンドルモーターが回転しないという不具合に遭遇しました。もう、モチベーションがガタ落ちです。
そこで、暫く冷却期間を置きました。そして、昨日の結果も合わせて、冷静にロジックを整理し、今後の方針を立ててから修理を臨むことにしました。

1.ロジックを整理する。
  TOCリードの順番は、レーザー光を照射⇒CDを認識⇒スピンドルモーター回転⇒TOCリードという事になりますので、スピンドルモーターの信号がアクティブにならないという事は、CDを認識していないという事になります。
ここから推測すると下記の事が考えられます。

 1)レーザーが光っていない。
 2)ピックアップのレンズが汚れている。
 3)レーザーを受け取るフォトダイオードが故障している。
 4)レーザー光の光量が弱く、フォトダイオードの出力が弱い。

2.修理の方針
そこで、スピンドルモーターが回転しないという不具合を解析するためには下記の方針で、確認を行います。

 1)ピックアップがきちんとホームポジションに移動するか?  
 2)ピックアップのレーザー光が発光しているか?
 3)レーザー光が発光しているのであれば、ピックアップのレンズを清掃して、スピンドルモーターが回転するかを確認
 4)それでも回らない場合は、レーザーピックアップの出力を確認する。
 5)出力が弱い場合は、出力を調整する。

3.確認の為の準備
さあ、それでは確認の為の前準備を行います。いちいちカバーをしてから確認するのでは非常に大変なので、各ユニットをばらして、裸の状態で確認出来る様にします。

1)FL表示基板のバラシ
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2)コントロールスイッチ基板のバラシ
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4.CDのマグネットキャッチのバラシ
カバーを開けたままでCDを回転させるために、CDマグネットキャッチを取り出します。

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5.確認
さあ、これで確認の為の環境が整いました。

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1)現状の確認
電源をONし現状を確認します。

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やはり回転しませんね。

2)レーザーピックアップの移動の確認
次に電源ONとともにピックアップが中心方向に移動するかどうかを確認します。

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きちんと移動しますね。

3)レーザー光が光っているかを確認
レーザー光が光っているかを確認します。レーザー光はきちんと光っています。

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6.ピックアップレンズを清掃する
レーザーピックアップの動作とレーザー光はきちんと動作していますので、今度はピックアップのレンズを清掃します。
綿棒に無水アルコールを染み込ませ、中心から円を描くようにやさしくレンズを拭き取ります。これを3回行いました。

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これで、ピックアップレンズは綺麗になりました。

7.CDを載せスピンドルモータが回転し、TOCがリードできるかを確認する
さあ、いよいよCDを載せてスピンドルモータが回転するかを確認します。
電源ON!
おーっ!スピンドルモーターが回転しました。

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そして、無事TOCリードが完了!

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CDのPLAYボタンを押下すると、きちんと再生モードになりました。

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8.安定度を確認する
毎回TOCが確認出来るかどうかを確認するために、何度も電源ONを行い、PALYをしてみまし。た

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合計100回確認を行いました。

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大丈夫です。

9.CDを全曲かける
今度はCDを、初めから終わりまでかけ続けます。

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CD1枚を掛けると約60分です。これを5回実施しました。
合格です!
これで、裸での動作は完全になり、全てが復活しました。
次回は、メインボードの電解コンデンサを交換したり、半田クラックを修復したりして、メインボードの安定化を行います。
お楽しみに!