LINN CDレシーバー CLASSIK MUSIC の修理 シーズン2ーFINALー

こんばんはTomです。今日の朝は割と暖かく最低気温が5℃、日中は最高気温が8℃と、一日の寒暖差がとても少ない日でした。日中の日が差している時間帯はそこそこ暖かかったので、家の窓と壁を洗浄していました。でも、午後の水遊びは寒かったです。
さて、今日の記事も昨日の続きで『LINN CDレシーバー CLASSIK MUSIC の修理 シーズン2』ですが、いよいよ今回がFINALの記事となります。この修理はとても難航しましたが、何とか年を越さずに修理が完了しました。
これで、気持ちよく新年を迎えることが出来ます。依頼者の方にも、大変喜んで頂きました。良かった~。

1.リファレンス機のメイン基板を取り外す
このCLASSIKの修理も佳境に入りました。今年も残すところわずかですので、何とか今年中に直してあげたいです。
そこで、リファレンス機をkikuさんからお譲り頂き、お金も振り込んだので、気兼ねなくリファレンス機をばらすことが出来ます。早速、メイン基板をリファレンス機本体から取り出しました。

1)チューナーユニットをばらす

2)メイン基板をばらす

3)メイン基板をNG本体に取り付ける
続いてメイン基板を故障している本体に取り付け、交換実験を行います。

4)メイン基板にNGのコントロールパネルを取り付ける

5)動作の確認

きちんと動作します。
まあ、これまでの経緯から当たり前といえば当たり前ですね。

2.2つのメイン基板を確認
OK品とNG品のメイン基板の違いが無いかを目視で確認します。

そしたら、スイッチング電源の部分に違いがある事を発見しました。

1)正常品

2)NG品
NG品にはこのジャンパー加工処理をしていませんでした。

恐らく、パターンがまだあると思われていて、このジャンパー加工をしていなかったのですね。

3)テスターで導通確認
テスターで導通を確認したら、やっぱり導通がありませんでした。

3.ジャンパー加工部分の信号を追いかける
ジャンパー加工が施されていたダイオード以降の信号を追いかけます。

この信号はコンパレータの入力に入っていました。

その後、この信号はトランジスタのベースに入り、そのトランジスタの出力は、コントロール基板のI/Fの6番ピンに入り、CPUに信号を伝えているようです。
つまり、この信号はリファレンス信号と電源電圧を比較し、電源の電圧が高ければH、低ければLの信号をCPUに返す様です。

電源の出力はきちんと出ていても、CPUへの信号が切れていたので、電源がきちんとHレベルになっていないため、CPU
CPUは『LoP』であると判断し、メイン電源をONしなかったという事です。これで全てのつじつまが合いました。とてもスッキリしました。

4.ジャンパー加工、抵抗戻し加工を行う
全ての理屈が合い腹落ちしましたので、ジャンパー加工と、メイン電源を強制的にONさせていた加工の除去、そして取り除いていたチップ抵抗を元に戻します。

これで、ジャンパ加工と抵抗の加工が終了しました。

5.加工したNGメイン基板をNG本体に取り付け動作確認
いよいよ加工したNG基板を、NG本体に取り付けて、動作を確認します。

1)メイン基板の取り付け

2)動作確認
動作を確認します。

電源ON!

ディスプレイにスタンバイの文字が現れ、メイン電源もONになりました。
ついに直りました~!嬉しい!

6.組付け、動作確認
修理が完了しましたので、正式に組付けて、動作を確認します。

1)ホットメルトで部品とハーネスを固定
組付ける前に、メイン基板に追加工した部品とジャンパーハーネスをホットメルトで固定します。

これで、完璧ですね。

2)メイン基板の組付け

3)チューナー基板の組付け

7.動作確認
全ての動作を確認します。

1)メイン電源ON
まずはメイン電源がONするかを再度確認します。

OKですね。

2)CDユニットの動作確認
続いてCDユニットの動作を確認します。

CDはきちんと読み取り、トラックの切り替えも確実に行えました。

3)アンプの動作確認

最後にスピーカー出力と、プリアンプの出力を確認します。

①スピーカー出力の確認
本来であれば、スピーカーを繋いで音声を確認したいのですが、LINN純正のスピーカーコネクタ付きのケーブルを持ち合わせていないので、今回はスピーカー端子をオシロで確認します。

大丈夫ですね。

②プリアウトの信号確認

プリアウトもきちんと動作しています。

8.仕上げ
動作が確認出来ましたので、最後に組付けて仕上げます。

1)バックアップ電池の設置

2)カバーの組付け

3)リアコネクタの洗浄

4)TOP、フロントカバーの洗浄

5)修理完了

これで修理が完了しました。
今回の修理は、回路図が無い中での修理でしたので、なかなか原因が特定できず、時間が掛かってしまいました。
依頼された方には、結構お待ち頂きました。大変申し訳ございませんでした。
でも、リファレンス機を譲って頂いたお陰で、交換実験やOKとNGの比較が出来るようになり、修理が一気に進みました。
Kikuさん、大変ありがとうございました。
これで、ストレスが無くなり、ゆったりとした気持ちで新年を迎えることが出来ます。
達成感ありです!