SA-910の修理 -その22-

おはようございます、Tomです。さて、SA-910の修理も大詰めを迎えており、いよいよ残す所、イコライザとパワーアンプの調整(これは、ちょっと怖いので、お友達のKさんと一緒にやる事にしています)のみです。毎日SA-910に触れて、少しずつ良くなっているの感じると、凄く可愛い彼女を手に入れた感じですね〜。でも、その彼女は、Tomの思いに対し、まだ踏ん切りがつかない様子です。今回のイコライザが最後の指輪と言った所でしょうか?
なーんて朝からバカな事書いてもしょうがないので、早速イコライザ基板の修理に取り掛かります。

1.今日のメニューはトランジスタ交換

 昨日の修理は、イコライザ基板のコンデンサを全て交換し、微弱な信号を扱う場所なので、古い半田はすべて吸い取り、新しい半田注ぎ込みました。その結果、ガサガサという音は無くなりましたし、サーという残留ノイズもかなり減りました。ハム音も結構低くなったかな?でも、ボリュームを上げると、残留音とハム音はまだ気になりますね。
そこで今日は、トランジスタを全て交換します。写真のトランジスタは、先日購入した2SA1015と2SC1815のリール品です。これは千石電商で購入したもので、1ブロック10個で、100円位だったともいます。安いね〜。これじゃあトランジスタだって抵抗やコンデンサと変わらない値段です。

2.交換前のイコライザ基板

 このイコライザ基板には5個のトランジスタが乗っています。これらを全て2SA1015と2SC1815に交換します。残留ノイズに対するトランジスタ交換の効果を確認するために、片方の基板のみ交換し、どの程度残留ノイズが減るのかを確認したいと思います。

3.トランジスタをどんどん交換する。

 サービスマニュアルの回路図とパターン図と現物を見ながらトランジスタを交換します。ところが、一個目のトランジスタを交換しようと取り外した段階で壁にぶち当たりました。トランジスタに表示無いのです。このトランジスタは何者だ?そこで回路図、パターン図とにらめっこ。先日回路図、パターン図と現物が異なる記事を書きましたが、もともとイコライザ基板なので時定数はあまり変わらないから、抵抗、コンデンサの定数も変わりません。その周辺の部品を参考に当たりを付けたところ、このトランジスタは2SA726である事がわかりました。良かった〜。これで一気に作業が進みますね。

4.トランジスタ交換後のイコライザ基板

 これがトランジスタを交換した後のイコライザ基板です。

5.効果確認

基板にブラケットを取り付け、シャーシーに戻し、電源のリード線を配線し、準備完了。さあ、いよいよ効果確認です。スイッチオン!PHONOモードにしてボリュームを上げてゆく・・・・・・・・・ウーム、左右の残留ノイズの大きさは、あまり変わらないですね。
と言う事はトランジスタの交換は、あまり効いていないと言う事ですね。やはり、これが限界かな?

6.もう片方の基板のトランジスタも交換する。
 
あまり効果が無いからといって、片方だけトランジスタを交換して古いほうそのままにするわけに行きません。今後の故障に繋がるからです。多少音が変わっても新鮮なトランジスタにしておきましょう。と言う事で、もう片方のトランジスタ5個を交換し、一応念のため再度残留ノイズを確認。やはり、先ほどとあまり変わりは無いですね。このアンプでは、レコードを聴く予定は無いのでこれで良しとしましょう。

7.プレイヤーを接続し、動作を確認

残留ノイズはこんなもんだけど、本当にイコライザアンプが動作しているかをプレイやを繋いでチェックします。でも、またプレイヤーをラックら引っ張り出すのか〜。やだな〜。と思っていたところ、先日製作したMCヘッドアンプの事を思い出しました。これがあれば、PHONOのケーブルも延長され、修理中のアンプに届きます。めでたく接続完了。

さて、音は・・・・・結構元気良く鳴っていますね。しかも、実際に聞いていると残留ノイズはあまり気になりません。これでOKとしましょう!

8.ついでに・・・・・

 SA-910には色々と面白いものがついています。その一つがリアパネルにある3つのボリュームです。1つがPHONO2のボリューム、そしてAUX2のボリューム、最後なんとSP3のボリュームです。これらのボリュームは、接続機器毎の入力のバラツキをここで吸収しようと言うものですが、ここでまた接点が増え、ケーブルも長くなります。これはあまり理想的では有りませんね。だからと言って取り外すのも面倒なので、今回は接点を復活させることに。


 1)まず、ボリュームのつまみを外します。

 2)ブラケットのネジ4本を外します。

 3)接点を復活させる。

ボリュームにエレクトロニッククリーナーを吹きかけ、何度もボリュームをまわし、ボリュームのガリを取り除きます。

そのまたついでに、これまで接点を復活させて来たローターリースイッチとスライドスイッチ、メインボリューム、そしてリアパネルの端子類全て接点を復活させて終了です。
リレーが残っているけど、取り出すのが面倒なので、またこの次にします。