SA-910 ついに完成です!

こんにちは、Tomです。ながーい夏休みも、今日と明日の2日を残すのみとなりました。今回の夏やすみ中の修理の目標は、下記の3つです。
    1)SA-910を調整まで含めて完成させる。
    2)CA-600を調整まで含めて完成させる。
    3)LINN KAIRNの回路図を完成させる。

さて、CA-600は、完成しエージング中。そして、SA-910は修理は完成したのですが、まだ未調整です。調整方法は、CA-600で体験しましたので、後はSA-910で再度同じ手順で実施するだけです。でも、一つだけ気になる事が・・・。それは半固定ボリュームです。この部品は結構古いものですので、接点の不良が心配です。また、現在うまく動いていても、そのうち接点不良なるかもしれません。そこで本日は、半固定ボリュームの交換を実施してから調整をする事にします。
1.まず、古い半固定ボリュームを取り外す 
下の写真は交換前の半固定ボリュームです。足はかなり腐食していますので、今回は、半固定ボリュームを新しくする事にしました。半固定抵抗は100Ωと330Ωですが、異なる種類を3タイプ購入しておきました。
 1)安いタイプのもの(30円くらい)
 2)そこそこ高級品(250円)
 3)ポテンショメーター(250円くらい):これは最後の手段

2.旧半固定ボリュームと今回取り付ける半固定ボリューム
 左が基板についていた半固定ボリューム、そして右が今回奮発して購入した、コパルの半固定ボリュームでなんと1個250円もする半固定ボリュームです。左右2個づつ使用しますので、これだけで1000円です。そして、一つ問題がありました。新しいものは、調整面を上にするとこれまでのものに対し、足の向きが反対になってしまい取り付きませんので足の加工が必要です。
 

3.半固定ボリュームの足を加工する。

 調整面が上向きになる様に真ん中の足を加工します。
 1)足を鈎状に加工する。

  

 2)もう一方のリード線も鈎状に加工し、鈎の部分をしっかりとつぶす。  

 3)半田付けを行い、足を前方に曲げる様加工する。

 4)加工を完了した半固定ボリューム(全部で4個)

4.新しい半固定ボリュームを基板に取り付ける。
 実際に取り付けてみるとなかなかしっかりしている感じがして、非常に頼もしい。
 調整もしっかりとできると助かりますが・・・・どうでしょうか?

5.セパレートに切替え、メインの入力端子にダミーロードを取り付ける。
 背面パネルのプリとメインのセパレートスイッチをセパレート状態にセットしメインアンプを独立させ、メインの入力には、以前製作したダミーロード(4.7kΩ)をセットする。

6.両チャンネルの中間電圧を0Vにセットする。
 まずはファイナルをセットしない状態で、中間電圧の調整を行います。これは出力とGNDとの間の電圧を0Vにセットし、プッシュプルのバランスをとります。今回変更したボリュームは、非常に優秀でドライバで回すと非常に安定して電圧が変化します。250円かけて良かった!

7.ファイナルを取り付ける

8.片チャンネルずつアイドル電流と中間電圧の調整をする。
 テスターは3個しかないので、片チャンネルずつアイドル電流と中間電圧の調整を行います。調整値は、下記の通りです。
  アイドル電流調整25mA:実際は両エミッタにあるセメント抵抗の電圧を見る:25mV
  中間電圧調整:0V

ここで注意が必要なのは、アイドル電流と中間電圧の調整は、素子の温度が安定するまで(約20分くらい)待ってから調整をする事です。
それから、アイドル電流を上下すると、中間電圧も変化しますので、お互いに何度も調整をします。何度かやっていると、ほら、下記の通りに25mV(実際は25mA)、0Vに調整できるようになります。
この作業をもう片方のチャンネルも行えば、調整は完了です。

9.カバーを取り付ける。
  調整は完了しましたので、音を確認したら、内部のシールドカバー2個と底面カバー、そしてウッドカバーを取り付け元通りにします。
 

10.全体を簡単に磨いて完了!
 最後に、ウッド部やパネル面を再度軽く磨けば完了です。なんとここまで2ヶ月かかりましたが、非常に楽しい修理でした。