LINNのプリアンプ KAIRNの修理 ーその2ー

こんばんは、Tomです。今日の午前中は結構良い天気で暖かかったのですが、午後は一転して冬の様な天気です。東京も冬の天気だそうですね。

さて、一昨日から始まったLINNのプリアンプ KAIRNの修理ですが、この週末を利用して修理を少し進めました。今日はその模様をレポートします。

1. 修理の方針

今回の修理は、高価なアンプですので、キチンと方針を打ち立てそれに沿って、修理を行います。
今回は、いきなり亀の子基板を背負うのではなく、別の方法で修理する秘策が有りますので、それを実施したいと思います。

<方針>
1) 背の高い電解コンデンサを取り除き、メンテしやすくする。
2) 紙やすりで、酸化した基板のパターンを削る。
3) それでもダメなら、サンポールで参加したパターンを綺麗にする。

1.電解コンデンサを取り除く。
まずは電解コンデンサを取り除きます。

しかし、電解液で酸化し、半田の成分も変わっているようで、半田も解けず結構苦労しました。
最悪どうしようもなくむしり取ったような形です。

電解コンデンサの下は真っ黒です。

基板を洗浄します。

2.紙やすりで基板のパターンを削る
基板のパターンを紙やすりで削ります。紙やすりは800番の水ペーパーです。

力をかけず、少しずつ削ります。

狭いところは、精密ドライバをスクレーパーに改造したものでパターンを削ります。

紙やすりとスクレーパーで基板のパターンはピカピカになりました。

3.導通をチェックする
綺麗になった基板のパターンの導通チェックします。

すると、1か所パターンの導通がしない場所がありました。それがここです。

ここをマイクロスコープで確認します。

すると、明らかにパターンは腐食で途切れていました。

4.途切れたパターンの確認
さて、途切れたパターンの行方はなにか?それを確認します。
パターンのスルーホールに抵抗のリードを指して、裏側のパターンを調べます。

裏側のパターンを見たら、そのパターンを見たらGNDパターンでした。これが途切れたら、やっぱり動作は出来ないでしょうね。

5.電源周りのコンデンサと抵抗の確認
そして、もう一つ変な箇所を見つけました。
それは、電源となる、LM378の周りの抵抗とコンデンサの部分です。

この部品を取り除きました。

6.ユニバーサル基板に半固定抵抗を取り付ける
取り除いた抵抗は、240Ωと360Ωです。
こんな中途半端な値の抵抗は手盛りにありませんので、半固定抵抗で代用します。
丁度300Ωの半固定抵抗が2個ありましたので、これをユニバーサル基板取り付けます。

240Ωの調整

そして、360Ωには100Ωの抵抗をプラスします。

360Ωの調整

7.基板の修復

抵抗が準備できましたので、いよいよい基板の修復を行います。

1)パターンの修復

先ほどの途切れたパターンの修復と、取り外した抵抗の部分のパターンの修復を行います。

2)抵抗を取り付ける

先ほど調整した、半固定抵抗を基板を取り付けます。

3)コンデンサを取り付ける

4)電解コンデンサをはんだ付けする

そして、最初に取り外した、電解コンデンサを新しいものには取り替えます。

8.動作確認

いよいよ動作確認です。

1)フロントパネルに取り付ける
まずは、フロントパネルに基板を取り付けます。

2)電源ON!
次にいよいよ電源をONします!
スイッチON!

おおー!表示パネルが点灯しました。

3)リモコンの動作確認
次にリモコンの動作確認を行います。

まずはボリュームから。ボリュームはOKです。

次に、ファンクションスイッチ。

OKです!

これで、このアンプは復活したと思われます。
次回をお楽しみに!