BOSE PAM-6の修理シーズンⅡ −その2−

おはようございます。Tomです。さて、昨日から再開したPAM-6の修理ですが、前回は、全体のブロック図の作成、そしてやたら複雑なハーネスにタグをつけ、誤配線をなくす様にしました。さて今日から本格的な修理の始まりです。
まず、修理の方針を打ち立てます。

 1.電源が正しく出ているかをチェックする。若し正しく出ていなければ、修理し全ての電源を正常化する。おそらくこの時点で直りそう。

 2.コントロール回路のICを調査し、信号がきちんと出ているかをチェック。 
 3.プリアンプのOPアンプの入出力を確認し、それぞれの信号がきちんとパワーアンプに入っているかをチェックする。

 4.それが全て整った上で、それでも動かない場合はパワーアンプに手をつける。でもパーアンプは未だに取り出し不可能。そのときは、筐体のスピーカーハウジングを切削する。

 5.パワーアンプを取り出し、修理する。
以上が全体の方針です。それでは、早速電源からチェックしましょう。



1.全部のハーネスを再接続をして、電源を投入。あれ?

 ブロック図とハーネスタグの通りにハーネスをセットし、電源コンセントと挿入。するとコンセントを挿入したとたん、リレーがカチンと入ります。なんかおかしい?そして電源SWを押下してみたが反応なし。ますます怪しい。どこか配線がおかしくなってしまったのか?そこで、昔撮った写真を見返した。
 するとコントロール基板のCN3とCN6が逆に挿入されている事がわかった。どの段階からそうなったのかは不明であるが、下記の様に反対になった為電源コードを入れた直後にすぐに電源のリレーを引いたと言うことが判った。

 1)変更前

 2)変更後

 ハーネスのコネクタの接続を変更した所、電源コンセントを挿入してもリレーは引かず、その後、電源SWをオンすると、そのタイミングで電源のリレーが引かれ、正常に動作した。ヨーシこれからだ!

2.DC電源の確認。
 1)5V(ロジック)電源の確認
 次は、電源の確認ですが、回路図が無いので、判るところから考えて見ます。まず、待機状態で、電源SWを押下すると電源のリレーが働くと言う事は、5Vのロジック電源は生きていると思われます。それを頼りにICの電源端子にプローブを当てると、確かに5Vが供給されている事がわかりました。5Vの根元ををたどるとPSUからコントロール基板へ2つのコネクタが垂直に立っています。これがおそらく電源供給コネクタですね。

  

 2)±15V電源の確認

  上記の電源コネクタの一本一本を確認すると、5Vはちゃんと来ていますが、そのほかの電源が供給されていません。PSU基板の基をたどると、±15Vの三端子レギュレータにたどり着きました。この三端子レギュレータを触ってみると、ガクガクしています。これか?

 3)三端子レギュレータのハンダ不良を直す
  ガクガクしている原因は、パターンが剥がれているわけではなく、見た目は正常ですが、半田がきちんと端子と溶着していません。実はこのような現象は別のコネクタにもありました。少し力を加えるとこんな状態になります。もしかするとこの基板全体がこんな感じできちんと半田が載っていない可能性があります。
  まあとりあえずきちんと三端子レギュレータのハンダ付けを実施。
  そこで電源を確認しましたが、これでも出力が出ません。

 4)三端子以前の電源供給されていない
  三端子レギュレータに供給されている電源を見ますとこの電源もNGであることがわかりました。となるとパワーアンプに供給されているおそらく±24V?の電源がNGなのでしょう。そこでそこの電源も確認したところ、これもNGである事が判りました。


今日はここまでです。でも、電源供給がされていなければ、どうさはしませんので、少し原因が明らかになってきました。次回はPSU(スイッチングレギュレータ)の原因調査となります。