TEAC CDプレイヤー VRDS-10の修理 ーその1ー

こんばんは、Tomです。昨日はだいぶ雨が降りました。今日はほぼ一日中曇り空の天気でした。明日はまた晴れ上がるようです。楽しみですね。
さて、今日は久しぶりに修理の記事に戻ります。今日の記事は『TEAC CDプレイヤー VRDS-10の修理』です。
今回のものは修理依頼を頂いたもので今回はその1となります。今後数回に分けてレポートしたいと思います。さて、どんな故障で修理できるのでしょうか?

1.修理依頼を頂いたCDプレイヤー
これが修理頂いたCDプレイヤー(以降CDPと略す)です。これはTEAC のVRDS-10という物で1992年製で当時15万円の高級品です。このCDPの特徴は、スピンドルモーターがCDの上にあり、ターンテーブルでCDを押さえながら回転する事でCDの回転が非常に安定するというVRDSというメカニズムを搭載しています。

audio-heritage.jp

CDPは2台送って頂いたのですが、修理するのは下のCDPです。この故障は電源が入らないという故障です。そして、上のCDPはドナーで電源は入るのですが、CDを読み取らず、スピンドルモーターが暴走するそうです。
なので上のCDPはドナーでそこから電源を取り出して、下の修理依頼品に移植してほしいという依頼でした。

2.動作確認
さあ、それでは動作を確認してみます。

1)修理依頼品(以降A機と書きます)の動作確認
まずはA機の動作を確認します。これは、電源が入らないという事でした。
それでは確認してみます。電源ON。

やはりだめですね。

2)ドナーの症状(以降B機と書きます)
次にドナーの症状を確認します。これは電源が入るが、CDを読まないという事でした。
それでは、スイッチON!
フロントパネルの表示はきちんと表示されました。

でも、CDを読むかどうかを確認しようとトレイオープンのボタンを押しましたが、トレイが開きません。
まあここから電源を取るだけなので問題なしです。

3.A機をばらす
それでは早速A機をばらして行きます。

1)TOPカバーのバラシ

あれ?TOPカバーをばらしたら、もう一枚カバーがありました。これはインナーカバーですね。さすが高級品です。

2)インナーカバーのバラシ

ジャジャーン、御開帳!

3)中のユニット
それでは中を見て行きましょう。

① CDユニットと電源ユニット(中央)

② デジタル基板(右側)

③ アナログ基板(左側)

4)リアパネルのバラシ
電源ユニットにアクセスするためにはかなりばらさなければならに感じがするので、リアパネルをばらしてみます。

ばらしてみると、なんと電源ユニットには、トランスとヒューズしか載っていませんでした。

もし、このユニットから各基板に入るコネクタの部分で電圧が確認出来たら、このユニットは原因ではありませんし、もし電圧が出ていなければ、基板とハーネスの接触不良です。

4.基板の電源入力コネクタの電圧確認
それでは、デジタル基板の電源入力コネクタの電圧を確認します。

確認結果、デジタル基板には、交流電圧が供給されていました。
という事はデジタル基板の電源回路ですね。

5.電源回路から順に確認
1)回路図の確認
依頼された方からVRDSのサービスマニュアルを頂きましたので、デジタル基板の回路図を確認します。

すると電源回路はいたってシンプルで、二次側AC電源をブリッジで整流、その後電解コンデンサで平滑し、±10Vを作っています。その後5V 三端子レギュレータ(7805,7905)で±5Vを作っています。

2)ブリッジ、平滑回路の電圧確認
まずは、ブリッジと平滑コンデンサが問題ないかの確認を行います。

こちらはOKです。

3)三端子レギュレータの電圧確認
続いて三端子レギュレータの出力を確認します。

①-5V

② +5V

  1. 5Vは全く出力が出てきませんでした。

という事は、この三端子レギュレータがNGという事になります。

6.三端子レギュレータ(7805)の交換
それでは三端子レギュレータを交換します。

1)交換部品
Tomは以前三端子レギュレータパックをAmazonで1000円で購入していたので、様々な三端子レギュレータを保有しています。

2)故障品を取り出す

3)交換
それでは新しい部品を設置しますが、この三端子レギュレータは、モールドで保護されていませんので、ヒートシンクとショートしないように絶縁スリーブを使用します。

4)基板の設置

7.動作確認
それでは動作確認しましょう!

1)電源の確認
電源ON!

フロントパネルの表示が光りました。復活しました。

2)CD動作の確認
続いてCDの動作を確認します。

CDを認識しました。

音声は確認していませんが、CDはきちんと動作しています。

8.組付け、動作確認
1)組付け

2)動作確認
最後にラジカセに接続し、CDの音声を確認します。

OKですね。

最後にTOPカバーを取り付け、修理完了!



ドナーの電源を使用し、ニコイチにする予定でしたが、5Vの三端子レギュレータの交換で復活しました。
良かったですね。
という事は、ドナーのVRDSは余ってしまいました。
依頼された方から、このドナーのB機はTomに頂けるという事になりました。
次回は、ドナーのB機を修理します。