KENWOOD TM-G707の修理

おはようございます、Tomです。節分を過ぎると少し暖かくなり、昨夜は雪ではなく、雨が降りました。暖かい証拠ですね。

さて、本日はお友達のSuさんから預かった無線機で、KENWOODのモービル機TM-G707の修理です。なんでも、Suさんも他の人から頂いたものらしく、13.5Vの電源を逆挿ししたら、フューズが切れ、その後、さらに容量の大きいフューズを入れたら無線機から煙が出たという代物です。通常は、逆挿ししても逆挿し防止のダイオードが入っているので、大丈夫なはずなんですが・・・・これはダイオード電解コンデンサがパンクしているか、またはすべての部品がおかしくなっているかどっちかでしょう?出来ればダイオードコンデンサで止まっていて欲しいものです。

1.分解
 早速分解です。このモービル機は、144MHzと430MHzのデュアルバンダーでパネルも分離型のものですが、結構コンパクトに作られております。

2.基板はとてもシンプル
 中を開くと、アルミダイカストのブロックに両面基板が1枚載っかっているだけの非常にシンプルな作りですね。さすがKENWOODです。部品はすべてチップ、そして基板上にあるファイナルはコンパクトで、その真下のアルミブロックに直付されています。非常に美しい作りですね。

3.電源を確認
 まず、電源の入力がどの様になっているかをテスターで確認します。すると電源はショート状態となっています。これはダイオードコンデンサのパンク臭いですね。

4.基板を目視で確認
 基板を目視確認すると、電源近くのチップ部品が焼け焦げていました。これか・・・、これはダイオードのようですね(チップ部品なので判らない)。

マイクロスコープで型番を見ました。焼け焦げて解りづらいですが、SA1LZと書いているように見えます。

5.サービスマニュアルをダウンロード

ネットでサービスマニュアルをダウンロードし、電源周りを確認すると、この部品は逆挿し防止のダイオードです。型番は、DSM3MA1ですね。


6.ダイオードの仕様の確認

ネットにて型番からデーターシートをダウンロードします。これは、耐圧100Vの整流用ダイオードで3Aのものである事が判りました。


7.部品を取り除く
ハンダゴテで、部品を取り除きます。

8.部品を確認する
 部品は焼け焦げているので、当然壊れていますが、それがショート状態で壊れていてそれを取り外す事で、電源ラインのショート状態が解除されるのかどうか?を確認します。
確認結果、この部品だけが焼けたようですね。電解コンデンサは無事でした。

9.手持ちのダイオードを取り付ける
 Tomは最近部品持ちで、確か2Aのダイオードは、10本くらいストックしていたはずです。部品バコを見ると、ありました、ありました。これです。やはり、富山の薬売りと同じ様に『常備パーツ』があると非常に便利ですね。

10.ダイオードの取り付け
Tomは、チップ部品のパターンにディスクリート部品を半田付けするのは得意ですが、今回はリードがごついので、電源端子の入り口の足に直付しました。これなら安定感があります。

11.テスターで電源のショート状態を確認します。

12.電源を投入
電源を入れてみます。電源ON!・・・・直りました。

13.清掃
 修理をしたら、最後は清掃し、ピカピカにしてあげます。

14.設置
 清掃後はこんなに綺麗。まるで新品のようです。Suさんに『直ったよー』とお伝えしたら、それは、『Tomさんにあげるよ〜』という事でしたので、家の固定機として大事に使用したいと思います。