YAESU FT-4600の修理 

おはようございます、Tomです。最近、無線機の修理シリーズが続いておりますが、本日も無線機の修理の記事です。

本日の機種はYAESUのFT-4600です。これは144/430MHzのデュアルバンダーのモービル機であり、数年前にジャンクで購入したものでした。ジャンクの理由は、出力が5Wくらいしか出ない事です。5Wでも固定機として使用するのであれば十分であると思いここ2〜3年使用していました。

しかし、昨日の修理で、固定機はKENWOODのTM-G707(20W機)に置き換わりましたので、これまで使用してまいりましたFT-4600は、修理をする事にしました。

1.サービスマニュアルの検索

パワーが落ちているのは、恐らくファイナルの劣化だとはお思いますが、回路図上で出力調整ボリュームを見つけ、それの接触、あるいは調整で何とかならないかを確認することが先決です。
そこで、ネットでサービスマニュアルを探しました。しかしながら、残念ながらサービスマニュアルは見つかりませんでした。残念!

2.代替のパワージュールを検索する
FT-4600の蓋を開けると、すぐ真下にパワーモジュール(FINAL)が見えます。このパワーモジュールはTOSHIBA製のS-AV5である事が判りました。
この型番を元にヤフオクなどで代替のパワーモジュールを検索しました。相場は4〜5千円するようです。結構高いので購入は諦めました。

一応、パワーモジュールを取り外しておきましょう。

3.ジャンク品をあさる
そうなると、今度は2m(144MHz)FMのパワーモジュールがどこかにないか?とハイエナ機をあさることになります。部屋中探していたら、昔、頂いたTM-251(2mモービル機)がありました。以前これに黒塗装をして、かっこよくしてみたいと思い、実際に黒塗装して失敗した記憶が蘇りました。確か音声はおかしかったが、出力は出ていたはず・・・。

4.出力をチェック

早速、無線機にダミーロードを接続してパワーを計測。
結果は、しっかりと10W 出ていました。シメシメ、これでパワーモジュールの型がコンパチだったら苦労せず、FT-4600を復活可能です。

5.ハイエナ機をバラしFINALの確認
そうと決まったら、すぐにバラシの決行です。コンパクトな無線機の割りに、ネジの本数が多いですね〜。FINALまでたどり着いたその時、ちょっとがっかりしました。FT-4800のFINALに比べ、TM-251のFINALは、ふたまわりほど小さいのです。メーカーも、FT-4600はTOSHIBAのS-AV5でしたが、TM-251のFINALは、MITSUBISHIのM57747です。これは取り付けが微妙ですね。これで足の配列が変わっていたら大手術です。

7.データーシートの確認
S-AV5とM77747のファイナルのデーターシートをダウンロードし、ピンアサインや仕様を確認します。どうやら形状は異なりますが、ピンアサインは同じですので、何とかなるかもしれません。

8.パワーモジュールの取り外し
TM-251からパワーモジュールを取り外します。

10.リード線の取り付けとシリコングリスの塗布
M57747のピン配列は同じですが、1ヶ所だけ基板に届かないのでリード線を半田付けして長さを確保します。そして、シリコングリスを塗布します。


11.パワーモジュールの取り付け
片方のビス基準でパワーモジュールを取り付けます。左側にネジ穴があると思いますが、これだけ大きさが異なります。後でヒートシンクに穴を開け、タッピングビスで固定しようと思います。

12.パワーの確認 
取り付けが完了したら、早速パワーの確認です。おおっーしっかり10W以上出ています。

13.出力を調整
FINALの出力VRらしきものが有りましたので、それを回してみると、出力が変わりました。これで、13Wに調整しましょう。

14.FT-4600の復活
FT-4600が復活しました。ちょっと惜しいのは、以前操作パネルのバックライトをLEDに変更した時に、スイッチの頭を1個無くしてしまった事です。実用上問題ありませんが、見た目ちょっと残念ですね。