YAMAHAプリメインアンプ AX-900の修理再び −その3−

おはようございます、Tomです。冬休みに入り、すっかり早起きのペースになりました。昨日は里山に登り、初日の出を拝むなど、年明けから結構アクティブなTomです。しかしながら、毎朝の早起きによる寝不足と、連日のお酒で体調はもうガタガタになってきています。そして、休み中は体重計には乗っていませんが、確実に体重は成長路線、右肩上がりになっていると思います。(恐ろしくて、乗れません・・・早く運動せねば・・・・)

さて、長い前置きですが、今日の記事は先日から実施しているYAMAHAのプリメインアンプAX-900の修理再び −その3−です。前回は出力部の保護回路にあるリレーの接点不良を解消することで、見事に復活をさせました。本日は、トーン回路のBassとラウドネスのボリューム(以降VRと記載)のガリを取り除く作業です。ガリと言っても、BassのVRは、この接点不良で片チャンネルが聞こえなくなったりするのですから、とても深刻なものです。

ガリを取り除くと言っても、これまで何度もエレクトロニッククリーナーを外から吹きかけていますが、全く改善の兆しが有りませんでした。そこで、今回はボリュームを全てバラバラにして、接点を観察し、その原因を取り除くメンテを行います。

1.ボリュームを取り出す
 まずは、操作パネルをバラして、BassとラウドネスVRを取り出します。

 1)操作パネルをバラす


 2)操作パネルの基板を取り出す

 3)BassとラウドネスVRを取り外す
 ①BassのVR

 ②ラウドネスVR

2.VRガリの状態を確認する 
 次に、取り出したVRのどの回路に接点不良(ガリ)があるのかを、テスターで確認します。ワニ口クリップで端子に接続して、VRをゆっくり回転させ抵抗値が上がって行くのを確認しますが、ガリがあると、突然抵抗値が変な値になるので、どの回路でガリがあるのか?またはどの場所でガリが発生するのかが判ります。
ガリが発生した回路に印をつけて、特にその回路のガリの原因を探るようにします。

3.VR自体をバラす
 ガリの状態を確認し、悪い箇所に印をつけたら、次はVR自体をバラして行きます。幸いこのVRは簡単にバラせるタイプでしたので助かりました。というか、簡単にバラせる構造だから、簡単に接点不良になってしまうという事も考えられますので、ちょっと複雑な気持ちです。

4.VRの接点の復活

 1)マジックリンで洗浄
 バラシが完了したら、まずは、マジックリンと綿棒でVRの基板やVR本体を洗浄します。
 ①基板の洗浄
  綿棒が結構黒くなります。

  ②VRの本体側の洗浄

 2)エレクトロニッククリーナーで洗浄
 次に、マジックリンを飛ばすために、エレクトロニッククリーナーで洗浄を行います。

 3)板バネの接点を観察
 板バネの接点(基板に接触する接点)をマイクロスコープで観察すると、先端が黒くなっている様です。

高さも揃っていません。これでは、接点が一箇所しか接しないので、不安定ですね。

 4)板ばねの接点復活
最初は、エレクトロニッククリーナーと綿棒で優しく拭いていましたがなかなか酸化膜が取れないので、最後はカッターの刃先で『カリカリ』とヤスる事にしました。これで接点は綺麗になりました。

そして、高さが不揃いの場所もピンセットで高さを揃えました。これで接点は大丈夫でしょう。


 5)接点復活剤で仕上げ
 接点が復活したところで、仕上げに接点復活剤を『チュッツ』とひと吹きします。
このVRの基板の材質はベーク基板ですので、決して『シューーー』と吹き掛けないでください。あまり吹きかけると基板が膨潤して湿気ったせんべいの様にフニャフニャになってしまいます。

4.効果確認
 VRを全て組み上げる前に、仮組みの状態で接点のガリの状況をテスターで確認します。

5.完成!
 VRガリが無くなったのを確認したら、VRをきちんと組み上げます。
これで完成です。