LUXMAN プリメインアンプ L-507の修理 ーその2ー

こんばんは、Tomです。今日の天気は、一日中晴天で気持ちの良い日でしたが、最低気温は-5℃、最高気温は7℃ととても寒い日でした。でもうちの中は天国ですね。
さて、今日の記事も昨日から始まった『LUXMAN プリメインアンプ L-507の修理』の話で、今回はその2となります。
前回は、動作を確認し、故障の箇所を推測しました。そこで、今回はアンプをばらして、実際に故障個所を修理します。
さて、故障は直るのでしょうか?

1.本体ケースのバラシ
まずは、底面のビス4本を取り除き、ウッドケースからアンプ本体をばらします。

中は1973年製にしては、割と綺麗です。おそらくあまり埃の入らないラックで大切に使用されていたのだと思われます。

2.セレクタースイッチの接点洗浄
それでは、昨日推測したセレクターのロータリースイッチの接点を洗浄します。

1)セレクターのロータリースイッチ
この時代のロータリースイッチは、基板や接点部がむき出しですので、経年劣化で酸化してもおかしくない構造です。

2)ロータリースイッチの洗浄
それでは、ロータリースイッチを洗浄します。皆さんは、接点を復活させるときに、接点復活剤をご使用されることが多いと思いますが、古いロータリースイッチはベーク板の基板を使用しており、ここに接点復活剤をジャバジャバかけてしまうと、接点復活材の油で、ベーク板が膨潤してしまい、ふにゃふにゃになってしまいますのでご注意ください。
Tomは接点復活剤を使用せず、クレのエレクトロニックスプレーかパーツクリーナを使用します。

洗浄液を吹きかけたら、セレクターを何度も回転させて接点を綺麗にします。

3)RCAジャックの洗浄
入力端子であるRCA端子も洗浄します。

3.経路の導通チェック
それでは、AUX1/2、そして、TUNERの端子からセレクタの出力までの経路の導通をテスターで確認します。

セレクタを洗浄した事で経路の導通は全て大丈夫であることが確認出来ました。

4.音声の確認
それでは、実際に音声を入力し、ヘッドフォンでアンプの出力を確認します。

1)AUXの確認
まずは、AUX1の確認です。

ボリュームを上げてみると・・・・おお~っ!予想通りきちんとLRの両方から音声が確認できます。

AUX2も見てみましょう!

AUX2も大丈夫ですね。

2)TUNER入力の確認
それでは、以前は全く音声が聴こえなかったTUNERの入力での音声を確認します。
セレクタのロータリースイッチのTUNERのポジションでも導通は確認できていたので、音声も問題なくこけえるはずです。

しかし、確認結果、TUNERからの音声は全く聴こえませんでした。

3)再度洗浄と確認
再度接点を洗浄し、テスターで導通を確認します。

やはり、ロータリースイッチの接点は大丈夫でした。

5.TUNERの音が出ない原因追及
セレクタの接点を確認すると問題ないのに音声が出ないという事は、コネクタから入力迄の経路ももんだいがあるとおもわれます。経路を良く確認するとRCAコネクタからロータリースイッチに行く経路にボリュームがついているではありませんか!

Tomは50年くらいオーディオをやっていますが、TUNER入力にアッテネータがついている機器を始めて見ました。
そこで、このアッテネータを上げてみると・・・・きちんと音声が確認出来ました。

これで全ての入力端子から、出力までLRともに音声がバランス良く出ていることを確認しました。

6.各部の接点を洗浄
故障が直りましたので、今度は今後もトラブルが無く使用出来るように、接点となる箇所を洗浄します。

これで、依頼された故障品のアンプが復活しました。
今回は意外にあっさり終了しました。
しかし、このアンプはビンテージ品なので、今後10年以上使用し続けて頂きたいと思っています。
そこで、依頼者の方に電解コンデンサの交換を提案しました。
結果、快く受け取って頂きましたので、次回からはアンプの中の電解コンデンサを交換するメンテナンスを行いたいと思います。お楽しみに!