こんばんはTomです。今日の天気はほぼ一日中曇り空でしたが、最高気温は昨日とほぼ同じで、16℃迄上がりました。でも、明日は、雨と雪でまた春の嵐になりそうです。三寒四温ではなく、もう2寒2温になってきました。春は近いですね。
さて、今日の話はまた修理の記事に戻り、『SONY カセットデッキ TC-4300SDの修理』です。今回はその6となります。なかなかワウフラッターが解消しませんが、今回はワウフラッターの場所をツールを使用して解析してみます。
1.速度調整用カセットテープ
ワウフラッターの確認と部品交換後に速度を調整するために、速度調整用のテープをヤフオクでゲットしました。
これは、3KHzのサイン波を5分間録音したものです。価格は1300円です。
2.ワウフラッター確認
まずは、このテープを再生し、ワウフラッターを確認します。
ワウフラッターはテープの伸びでも発生しますので、これまで確認していたテープの問題であるかどうかを、このテープで確認します。
確認結果、この速度調整用の3KHzのサイン波の音がスイープしてしまい、ワウフラッターが出ています。
やはりワウフラッターは、このデッキから発生している事が確認出来ました。
3.速度の調整
次に速度調整を行います。これはワウフラッターとは関係なく、ドナーから移植したFGサーボ基板の電界コンデンサを交換しましたので、このテープを使用して速度を調整します。
1)速度調整用のセッティング
まずは簡易速度調整用のセッティングを行います。
簡易ですので、デッキの調整用テープの3KHzの再生音をラジカセで発生させます。
そして、スマホのは発振器のアプリで、3KHzの音を発生させます。
2)ビートで調整する
上記のシステムで、周波数がずれていれば必ずビートが出ますので、FGサーボ基板の半固定抵抗でビートが無くなる迄調整します。
3)周波数分析ソフトで調整する
世の中もっと便利なものがありました。PCのフリーソフトで周波数カウンタ、FFTアナライザがあります。これをインストールし、周波数を測定して調整を行います。
ワウフラッターがあるので、周波数は定期的にズレますが、デフォルトの周波数は3KHzに調整出来ました。
4.簡易的にエンコーダーを付けてワウフラッターの原因を解析する
モーターから伝達されたプーリーに黒いテープを付け、簡易的なエンコーダーにします。
そして、再生モードで音声を再生した時の、プーリーの回転状況をスマホのスローモーション動画で撮影します。
そのスロー再生した時に、ワウフラッターの周期とプーリーの周期に合っていれば、そこがワウフラッターの原因と断定することが出来ます。
再生スーローモモーション動画
うまくスローモーションの動画になりませんでしたが、全てのプーリーは、ワウフラッターの音と同期しませんでした。
しかし、サブプーリーベルトの周期と同期していました。
5.サブブーリーのベルト交換
そういえば、キャプスタンベルトは交換しましたが、サブウーリーのベルトは交換していませんでした。
そこで、サブプーリーのベルトの交換を行いました。
ワウフラッターの確認を行いましたが、やはりワウフラッターは取れませんでした。
6.その他の負荷低減
1)キャプスタンプーリーの軸の負荷調整
キャプスタンプーリーの軸のビスを調整し、負荷が一番少なるように調整します。
調整後は、ホットメルトで軸のビスを固定します。
2)サブプーリーの清掃
ドナーと交換したサブプーリーのベルトと接する部分の清掃を行います。
この対策結果、ワウフラッターを確認しましたが、だいぶ良くなりましたが、まだワウフラッターは解消しません。
もう、最後の手段は、モーターを分解しブラシとローターの接点不良を解消するくらいしか残っていませんね。
なかなかしぶといですね。
次回をお楽しみに!