パイオニア プリメインアンプ SA-910の修理-その2−

おはようございます。Tomです。さて、今日はSA-910修理−その2-を報告します。さて、昨日の検査の結果、プリの出力が出ないことが判りましたので、いよいよ本腰を入れて修理に取り掛かりたいと思います。でもその為には、準備を・・・・。準備は大事です。運動でも準備体操するでしょう?それとおんなじです。今回は回路図が手に入りましたので使えるように準備します。

1.回路図の製作
えのしまさんのご協力でサービスマニュアルは手に入りましたが、そのpdfファイルは、A4サイズに全体回路図半分ずつ入っています。でも、このままでは文字が小さすぎて、老眼のTomにはとてもじゃないが読めません。そこで、その回路図のページをプリンター機能にあるポスター印刷機能を使用してポスター大に分割印刷しました。これって本当に便利ですね。ちゃんと『切りしろ』と『のりしろ』までプリントしてくれるんです。

2.回路図の出来上がり
その通りに貼り付けてゆくと、A1サイズの図面が出来上がりました。なかなかいいでしょう?

3.まずは、電源からチェック!
どんな機器でも、まず電源がちゃんとしているかどうかをチェックするのが基本です。家でも土台がしっかりしていないと、ちゃんとした家は作れないのと同じで、電源が規定の電圧で供給されなければ、回路はまともに動きません。

1)整流回路基板をチェック
 まず整流回路からチェックします。ここではトランスの2次側を整流して±45Vと±62Vの電源を作っています。オシロでチェックしたところ、整流回路は問題なく動作しているようです。ブロックコンデンサが容量抜けを起こしていたらどうしようと思いましたが、良かったです。もし、使えなかったら部品代がバカにならないからです。
※電源電圧測定であっても、若しオシロスコープをお持ちでしたら、オシロを使用することをお勧めします。波形をちゃんと見ておいた方が良いからです。

結果、±62V(B電源へ供給)、±45V(パワーアンプへ供給)共に正常でした。

2)2次電源基板をチェック 次に、±62Vから、±42V、±35V、±16V、−13Vを作る、POWER SUPPLY Ass'y-B基板をチェックします。
 
プラス側の回路は、OKでした。でもマイナス側は、全てNG!


まずは、基板を取り外します。

次に、全てのマイナス電源がNGと言う事ですので、この基板の大元のトランジスタ2SB507をチェックしました。

その結果、このトランジスタは、オープン状態で故障していることがわかりました。これでは、何の回路も動きませんね。

4.トランジスタを注文
 ネットで2SB507を検索した所、もうこのトランジスタは手に入らない事が判りました。当たり前と言えば当たり前ですね。その代わり、2SB1375が互換品としてあるようです。コンプリメンタリとして、2SD2012という物が用意されているようです。早速、先日IHジャーを修理するときに利用した、RSコンポーネンツにこのトランジスタをペアで5個ずつ注文しました。

5.ファイナル段のパワートランジスタをチェック
 トランジスタ納入されるまでは何にも出来ないので、そのほかの作業をする事に。一番気になるファイナルのパワートランジスタをチェックすることにしました。せっかく電源、プリアンプというステップを踏んで直していっても、最後のファイナル段のトランジスタが逝っていたのでは、何にもなりませんので・・・・・・。

1)ヒートシンクからトランジスタを取り外します。

2)トランジスタの抵抗値を測定
 BE間、BC間の抵抗値を測定します。結果、全てのパワトラは正常でした。良かった!これがNGでは、大問題ですから・・・・・。

6.清掃作業
実は、全ての修理作業を終了してから、清掃作業を実施する予定でしたが、今のところやることが無いので、せっかくですので早めに清掃作業を行う事にしました。
1)リアパネルの清掃
 リアパネルは、RCAのジャックの塊です。年数が経過しているのでコネクタ類はもう接点がダメダメです。そこで接点復活剤を少しつけて、長年の垢を落とします。


2)フロントパネルの清掃

フロンパネルは、ツマミ類とパネルがとても美しい作りなので、ツマミを全て取り外し、しっかりと清掃することで、高級感あふれる仕上がりになると思います。
①パネルの清掃
 パネルの清掃では、ツマミ類を全て取り外します。マジックリンを吹きかけ、歯ブラシでいつもの様にゴシゴシと汚れを掻き出します。ここで注して欲しいのは、このアンプの文字部分は、全て掘り込みになっていますので問題は無いのですが、昔のアンプでは、掘り込みが無いシルクの場合、マジックリンで文字が消えてしまうこともありますので、ご注意ください。

②ツマミの清掃
 ツマミも、マジックリンと歯ブラシできれいに仕上げます。

③内部の清掃
 内部は手が入らないので、綿棒などで清掃します。


 7.仕上あがり結果

仕上げは、シリコン系のワックス(アーマオールなど)を布につけ薄く塗布します。これで完璧にピカピカになります。
仕上がり結果はこんな感じです。結構きれいでしょう?

フロントパネルは、とても綺麗になり、ツマミが光って映っています。

内部やリアパネルも綺麗になりました。

後は、トランジスタが納入されるまで待機状態です。トランジスタは来週の火曜日に到着すると思います。そしたら、また再開し、記事をアップしたいと思いますので、その3をお楽しみに!