SA-910の修理 -その20-

おはようございます、Tomです。さて、SA-910の修理の記事もいよいよ20回目を迎える事になりました。20回目を記念してTomより一言。『え〜、この70年代のアンプは、修理が大変ですね〜。特にこのSA-910は、接点が多く、また70年代と言う事もあり、コネクタなしのラッピング配線、半田の腐り、などなど全てにおいてオーバーホールをする必要がありますね。でも、色々手をかけるとどんどん音が良くなってとても可愛いくて、手放せない一品になりましたね。』なんちゃって。
こんな事を書いている場合ではありません。Tomの修理はまだまだ続きます。
本日の修理は、フィルターアンプ周りとフィルター周りのスイッチ基板です。それでは、ご覧下さい。

1.前回のおさらい

 このフィルターアンプの件は、前回電解コンデンサ8個を交換するに当たり、回路図と現物の極性が真逆だったと言う事でした。

2.対処方法の決定

 現物の状態で動いているので、それに合わせてもいいのですが、回路図を見ても、フィルターの時定数を作っているだけですし、入力信号ラインに直列に入っているので、丁度カップリングコンデンサと同様の働きもしていますので、両極性(バイポーラ)の電解コンデンサを投入する事に決定!

3.バイポーラコンデンサの到着

 バイポーラの電解コンデンサが到着しました。このコンデンサは、グリーンメタリックでとても綺麗なので、なんか音がよさそうな感じがしてTomは大好きです。(結局、見た目かい!)

 これが、今まで使用されていたコンデンサ。8個全て交換。

4.交換後のフィルター基板

 Tomは、あまりトーン回路を使用して聴かないので、フィルター基板を修理してもあまり意味が無いのですが、とにかく修理完了。ついでにトランジスタ類も交換してもいいけど、まずは音を確認してからにしましょう。


5.音の確認

 フィルターアンプの電解コンデンサを全て交換し、早速確認。フィルター類のスイッチを色々とON/OFFして見る。すると、TONE DEFEAT(TONE回路をバイパスする)スイッチの所でTONEをOFFすると、音が変です。若しかして、これには基本的に部品が無いので、これはスイッチ単体の問題です。来ましたよ〜、接点不良。他のスイッチ類もガサガサと音がする。

6.エレクトロニッククリーナーの登場!

 前回紹介しましたエレクトロニッククリーナーを登場させましょう!しかし、何処から吹き付けるの?この基板を外すにはパネル脱着もしなくてはなりません。まずは、一番端のスイッチは何とか覗けるのでそこにエレクトロニッククリーナーを吹きかけ何度もスイッチをカチャカチャをON/OFFします。すると、かなり効果があり、ガサガダ音はすっかり無くなりました。


でも接点復活のためにそんなところに時間をかけたくありません。そんな事をするんだったらイコライザアンプを修理したほうがずーとましです。
そうです、先ほど修理したフィルターアンプを起こせば、なんとはスイッチのお尻からスプレーをする事が出来ます。これでやってみましょう!


結果、TONE DEFEATの音も良くなりましたし、他のスイッチ類のガリも全てなくなりました。


7.全てのスイッチの接点を復活させる

せっかくですので、パネルの全スライドスイッチやロータリースイッチ全てにエレクトロニッククリーナーを塗布し、何度も接点をスライドさせ、接点復活をさせましょう!
セレクターなども、接点復活させるとガリも無くなり、一つ一つ音を聞きながら接点を復活させていると、音がどんどん良くなってゆくのが判ります。というか、よっぽど接点が悪かったと言う事になりますね。何せ37年前の代物ですから・・・・・。
もう、どのスイッチを触っても、ガリがありません。ますます愛着が沸いて来た。

今のオーディオ機器のボリュームやロータリースイッチは、密閉式になっていますので、なかなか接点不良になりませんが、この年代のボリュームやスイッチ類は全て裸。これででは、接点不良が起きてもなんらおかしくありません。

さあ、SA-910の修理も、残す所イコライザアンプと最終調整のみとなりました。
イコライザアンプは、完全にイカレテいますので、修理しないとノイズが出ます。
どうしようかな〜。ラッピングを外すのいやなんだよね〜。でも外さないと修理できないし。愛情たっぷりになってきたので、今度やりますか〜。