クリスキットの基板を使ったパワーアンプの製作 −その8−

こんにちは、Tomです。昨日は、大雪で20cmくらい積もりました。おかげで、雪かきも2回ほど実施。結構重い雪でしたので、大変でした。今朝は、その雪が凍って硬くなっています。昨日雪かきして正解でした。

さて、昨日は、ドライバ段までの確認を行い、OKでしたので、本日は、いよいよファイナル段の取り付けです。取り付けといっても、もともとのファイナルを取り外したり、清掃したりと、キットとは異なる余計な時間がかかります。まあ、それも面白さですが・・・
それでは、始めましょう!

1.SONYのファイナルのバラシ
  今回のアンプでは、SONYパワーアンプヒートシンクを使用したいと考えていますので、現在ついているSONYのファイナルを取り外し、一度ヒートシンクを清掃します。

 1)パワートランジスタの取り外し 
 これまで、SA-910やCA-600などでヒートシンクについているトランジスタをとりはず時は、トランジスタの取り付けねじをはずせば、下にソケットがついているのでいちいち半田付けする必要がないので、簡単でした。今回もそうだと良いのですが。

 2)パワートランジスタの半田除去
  ところが、ビスを取り外しても、トランジスタはまったくビクともしません。いろいろ観察してみると、このソケットは、トランジスタを半田付けするタイプの様でした。仕方なく半田を除去することにします。
 

2.ヒートシンクその他の清掃
 半田除去で、何とかトランジスタを取り除く事が出来ましたが、ヒートシンク、ソケット、絶縁シートが、古いグリスでべとべとです。そこですべてのパーツを一度清掃することにしました。(こんなところに時間がかかってしまいます。)

 1)ヒートシンクの清掃
  ヒートシンクにはトランジスタと温度保障ダイオードがシリコングリスがついて取り付いていました。シリコングリスは、かなり古いもので、色が変色していますので、マジックリンと歯ブラシで、きれいにします。当然放熱フィンの一本一本もきれいに清掃します。
 

 2)ソケット、絶縁シートの清掃

  トランジスタのソケットや、絶縁シートなども、一度古いグリスをマジックリンで除去します。

 3)清掃の完了
  これで、ヒートシンクトランジスタのソケット、絶縁シートはピカピカになりました。

3.新しいトランジスタの取り付け
  清掃でスッキリしたところで、今度は、今回使用するトランジスタの取り付けです。
 
 1)使用するトランジスタ
  今回使用するトランジスタは、ナショナルセミコンダクタのトランジスタで、これは金田式アンプにも使用されているものです。以前CA-600にも使用したものです。

 

 2)絶縁シートにシリコングリス塗布
  絶縁シートには、フレッシュなシリコングリスを塗布します。

 3)トランジスタの取り付け
  シリコングリスには、トランジスタ接触する面にもグリスを塗り、トランジスタをソケットにビス止めします。後は、トランジスタの足に半田付けして完了。

  

 4)トランジスタのチェック
  トランジスタを取り付けた後、ヒートシンク接触していないかどうか(絶対に大丈夫なんですがちょっと心配)をチェックします。同時に、トランジスタの確認にもなります。

5.ヒートシンクのレイアウト検討
 配線を行う前に、ヒートシンクをいろいろと並べてみて、温度補償ダイオードの設置場所、効率的な配線の方法を検討しました。

6.温度補償ダイオードの取り付け
 当初、温度補償ダイオードは、長いリード線にしておいて、ヒートシンクにほっとメルトで固定しようと考えていました。しかし、きちんと固定するためには、SONYのアンプに使用されていた平ラグを活用し、センサはそこにきちんと固定し、ハーネスはその平ラグから引き出すことにしました。

 1)ダイオードを平ラグに固定する。
 ダイオードを平ラグに取り付けます。この時、トランジスタがどれだけ熱くなるか分からないためハーネスに耐熱チューブを取り付けました。  

 2)温度補償ダイオードにグリスを塗布
  温度補償ダイオードは、トランジスタ脇の放熱フィンの隙間に取り付けますが、ダイオードには、たっぷりグリスを塗布します。

  
   
 3)コレクタの取り付けねじに平ラグをとも締め

7.もう一度ドライバ基板を確認
 
 ファイナルの配線をする前に、ダミーロードと温度補償ダイオードをつけた状態で、もう一度、ドライバ基板の動作を確認します。
スピーカーの接続端子の部分で電源投入時の電圧変化を見ます。
OKです。さあそれでは、ファイナルの配線に移りましょう。

8.ファイナルトランジスターへの配線

 まず、2枚の基板のうち1枚のファイナルトランジスタへの接続を行います。6本の線の内、一個のトランジスタのコレクタのみ接続せず、そこに電流計(テスター)を接続します。

9.アイドル電流の調整
 
 電源をONし、ゆっくりとアイドル電流をかけて行きます。100mAまでかけたら一時ストップし、ヒートシンクの温度がサチるまでアイドル電流を流し続けます。温度が高くなってくるとだんだんアイドル電流が多く流れてゆくので、トリマーで100mAに戻してゆきます。これを約30分間続けます。30分で温度が安定しますので、それで終了です。

これを、もう片方の回路も実施します。

10.オフセット電圧の調整

 アイドル電流の調整の後は、オフセット電圧の調整です。オフセット電圧の測定はスピーカー出力端子の部分にテスターを当てて、トリマーで調整します。

 これで調整は終了です。回路はすべて動いており、調整も終了です。ほぼ出来上がったのと同じです。

ヒートシンクを取り付け、あとは、スピーカー端子にハーネスを配線し、仕上げになります。