クリスキットの基板を使ったパワーアンプの製作 ―その11―

おはようございます、Tomです。昨日は、思わぬトラブルにより、せっかく順調に行っていたアンプの製作も、ちょっとした壁にぶち当たりました。振り返れば、どちらかと言うと、これまでが順調過ぎた感もありますので、たまにはこの様な事が無いと醍醐味はありません。なにせ、修理の時は、壁の連続ですので、それに比べれは、これくらいの壁は致し方ない状態だと思います。

さて、昨日の対策の方針は下記の2点でした。

 ① GNDを強化する。
 ② ①でNGの場合はプロテクション回路を設ける。

さあ、今日はここからです。

1.GNDを強化する
 今回の主な問題は、マイナス電源が電源OFFでなかなか放電しないことです。つまり、GNDが浮いている状態かトランジスタが動いていない状態だと思います。しかし、トランジスタについてはすべて再チェックして問題なし。そして2枚の基板ともにトランジスタが動作していないという事はありえない事ですので、昨日の解析ロジックからGNDのどこかが浮いている可能性非常に高いという結論に至りました。
 そこで、今回は、電源とドライバ周りのGNDを強化します。

 大変申し訳ないですが、このブログの今月の無料写真データ容量が、あと300KBを切っていますので、30KBに圧縮した写真で我慢してください。

 1)電源周りのGNDの追加
 2枚の基板共におかしいとなると、大元の電源周りが非常に臭いですね。そこで、電源周りのGNDをさらにシャシーに落としました。

  ①トランスの中点のGND追加
   トランスの中点のGNDは、電源基板から落としていますが、最短でシャーシに落としました。

  ②電源基板のGND追加
  電源基板のGNDもさらに追加しました。


 

 2)ドライバ基板のGND強化
 それぞれのドライバ基板のGNDをシャーシに落とし、GNDの強化をしました。

 今後もGNDを強化しますが、ここで状況を確認します。

2.電源の放電状態を確認
 GNDの強化した所で、その結果がどの様に出るか楽しみです。電源をON、そしてOFF。その時にマイナス30Vの電源端子をオシロで確認すると、スムーズに放電されていることを確認しました。今度は、もう一度ON/OFFし、プラス電源とマイナス電源の放電の時定数の状態を見てみることにしました。
結果、どちらも同じ時定数で放電されている事が確認できました。これなら、電源投入時にスピーカーのフューズが切れることはないでしょう。

3.スピーカーを繋いで動作確認
 今度は、実際にスピーカーのフューズに500mAのフューズを入れ、それが切れないかどうかの確認をします。
 結果、何度電源をON/OFFしてもフューズは切れない事を確認しました。
 また、電源が安定したおかげで、電源投入時のPOPノイズも気にならなくなりました。

4.自作スピーカーに切り替えて音の確認
 これまでは、壊れてもいいラジカセのスピーカーを繋いでいましたが、このアンプは安全に動作することが分かりましたので、キチンとしたスピーカーで音を確認します。

しかし、いきなりタンノイはちょっと怖いので、まずは、自作のサブスピーカーをセッティングし、音を確認する事に。CDは先日からチェックに使用していたマライヤ・キャリーです。
なぜマライヤキャリーかって?理由は簡単で、CDプレイヤーの上にたまたま置いてあったからです。

5.音出しの結果
 自作スピーカーは、30年以上も前のパイオニアPE101(10cmフルレンジ)+フォステクスのFT-21ですので、低音はそれなりですが、マライアの元気な声がどんどん前に出てきます。しかも、クリスキット特有のスッキリした音です。これは行けそうですね。
しばらくこの状態で、様子見とエージングを行なってから、タンノイに接続してみます。


まずは、完成です。後は外装を格好良くしてあげましょう。