クラニシ アンテナアナライザー BR-510の修理 −その8−

おはようございます、Tomです。週末は、2日とも天気が良かったのですが、今日はどんよりと曇り空です。でも、週末だけでも電気が良いので、精神的に助かりますね。


さて、クラニシのアンテナアナライザの修理も、『その8』まで来ており、いよいよ大詰めを迎えております。
昨日の記事では、的は同軸ハーネスユニットに絞られました。
後は、方針に沿って攻めるだけです。

【修理の方針】
 1)再ハンダ付けを行い、接点不良をなくす。
 2)半導体であるダイオードの動作を確認する。
 3)抵抗とコンデンサなどのチップ部品を確認する。
 4)ひたすらルーペで目視する。

昨日は、部品の再ハンダ付けを行いましたが、結果はNGでした。今日は、その続きです。


1.半導体ダイオードの動作を確認する。

 これから、基板の上にある部品をひとつずつ確認するのですが、まずは半導体であるダイオードの動作をテスターを用いて確認します。
部品が装着されている状況で確認し、動作がおかしい場合は、片足をはずして確認します。

 <結果>
  しかし、結果はすべてOKでした。

2.チップ抵抗、チップコンデンサをチェックする

 次に、基板上のチップ抵抗とコンデンサをチェックします。抵抗はテスター、コンデンサは容量計で計測します。チップ部品は、取り外すと面倒なので、このまま計測し、近い値ならOKとしました。

<結果>

 結果は、どれもOKでした。

3.ルーペでひたすら目視する。

 最後は、ルーペで基板の上の状態をひたすら確認する事です。この方法は、地味な方法ですが、案外異常を発見しやすかったりします。



<結果>

 異常を発見しました!
 基板上の同軸ケーブルの陰に隠れていたチップ抵抗を発見しました!

 しかも、どうやらこの抵抗は、ブリッジで共振に使用している、50Ωの抵抗の様です。
 この抵抗が黒く焦げています。

 この抵抗の両端をテスターで図ると、無限大。つまりオープンとなっておりました。
これでは、共振するはずがありませんね。

4.50Ωの抵抗を作る。

さあ、ここからは、駄目押しの実験です。
この焦げた抵抗の両端に50Ωの抵抗を付けて、うまく動作すればOKです。
しかし、Tomは、50Ωピッタリの抵抗のストックはありません。
幸い10Ωの抵抗が数本ありましたので、これを5本シリーズにして、50Ωの抵抗を作りました。


5.動作の確認

50Ωの抵抗をハンダ付けし、いよいよ動作確認です。

スイッチオン!

うまく行きました!
今までメーターは振り切っていたのですが、明らかに正常な動きをしました。

インピーダンスメーターは、きっちり50Ωを指しています。

さて次は、SWRです。
スイッチをSWRモードにして、1を指せばOKです。

あれ?

ところが、SWRのメーターは1ではなく5を指しています。
SWRはまだおかしいところがあるようですね。

でも、今回の故障の主たる原因は、取り除けたので満足です。
あと一歩ですね。
お楽しみに!