ケンウッドのハンディー機 TH-F28の修理 −その7−

こんにちは、Tomです。今日は2月の最終日です。お天気に恵まれ、穏やかな日でした。あすからいよいよ3月です。いよいよ春ですね〜。

さて、ケンウッドのハンディー機(TH-F28)の修理もいよいよ大詰めですが、なかなか決め手が無い状態で、週末を迎えてしまいました。それに加え、昨日と一昨日は、仙台で社外研修があった為、修理が出来ない状態でちょっとあせりも出てきましたので、今朝は朝6時に起きて、修理に取り掛かりました。

1.前回までの状態

先日は、音声アンプに電源を供給している2SB798を2SA1015に交換してみた所まででした。
どうもこのトランジスタの周辺がうまく動いていません。

2.Q13のトランジスタを動作させるための回路を遡る。

このトランジスタを動作させるためのトランジスタ(Q14)のベース電圧がほぼ0Vでした。本来は、このトランジスタのベース電圧は、4.96V近くあるはずです。

3.さらにその前を遡る

そこで、Q14を動作させるためのトランジスタ(Q15)の周辺の電圧を見ることにしました。

そしたら、このトランジスタのE、C、Bともにほぼ0Vの状態でした。なんじゃこりゃ?
特に、Q15のエミッタには、5Cという5Vの電圧がかかっているはずです。どうも、これが怪しいですね。

4.Q15の電源である5Cの源をたどる
5Cの電源の源であるトランジスタのコレクタ電圧を見てみる。

この5Cは、13.5Vの電源から5Vの電源を作っているものであり、ここの大基のトランジスタのコレクタを見てます。ここにプローブを当てるためのハーネスを半田付けします。

オシロで電圧を確認するときちんと5Vが出ていますね。

ところが、Q15のエミッタの電源は0V。どうやらここに問題がありそうです。

5.5Cの電源を直接Q15のエミッタに当てて見る。
そこで、このハーネスの先端を、Q15のエミッタにそっと接触させて見ると、ザーッというスケルチOFFの時の音声が、スピーカーから聞こえてきました。どうやら、この電源がどこかで切れていたみたいです。

6.ジャンパする


もう、大丈夫です。後は、5Cの電源とQ15のエミッタにジャンパするだけです。

これで直りました!

7.電解コンデンサを交換する


後は、テンポラリーで付けていた、ディスクリート電解コンデンサを取り外し面実装の電解コンデンサを取り付ければOKです。

まずは、コンデンサを取り外します。

コンデンサを取り外してみたら、パターンが切れている箇所を発見しました。
ちょうど液漏れした電解コンデンサの下でしたね。

電解液の漏れでパターンが解けてしまったのですね。マイクロスコープで拡大すると、腐食の状況が良くわかります。

電解コンデンサを取り外した後は、エレクトロニックスプレーと歯ブラシで洗浄します。


Tomは手持ちの電解コンデンサはほぼ一通り保有していますが、面実装の電解コンデンサは、保有しておりません。そこで、面実装の電解コンデンサを購入。

しかしながら、22μFも47μFも残念ながら35V品しか手に入りませんでした。そこで、お友達のKamiさんと、Kamaさんから、ジャンク基板からはずした面実装電解コンデンサを頂ました。でもこれも16V品なので、ちょっとでかい。
左から、無線機についていた、6.3V22μF、真ん中が16V品、そして一番右が35V品です。
せっかく購入しましたが、35V品は使用できないことがわかりました。

仕方なく、容量が抜けていなかったコンデンサと頂いたコンデンサを併用して何とかすることに。

47μFは、通常の電解コンデンサの16V品を横にして、何とか対応しました。


最後に、取り外した330μFを再度取り付けて終了。

後は、Q13のトランジスタを2SA1015から元の2SB798に戻します。

しかしながら、2SB798にもどしたら、また音が出なくなりました。そこでQ13を2SA1015にまた戻したら、また音声が復活。
どうやら、2SB798を購入する必要があるようです。先ほど若松通商に注文しました。
部品単価は31円なんですが、送料の方が高いですね。トランジスタが到着するまで、待ちましょう!

しかし、もう少しで迷宮入りになりそうでしたが、何とか原因が見つかってよかったですね。達成感ありです。今日はなんだかとても嬉しい!