CROWN D-150Aの修理 ーその9ー

こんばんは、Tomです。今日は曇り後雨。なんだかパッとしない天気でした。でも明日から天気は回復し、水曜日、木曜日は東北でも30℃を超す様です。5月なのに・・・・熱中症に気を付けてください。
さて、今日の話題は修理ライフの記事です。この所5月の連休や、丸森いちなどもあり、タイムリーにレポートする内容が多い為、修理の記事は一時中断していました。だいぶ落ち着きましたので、修理の記事の再開です。今回はだいぶ悩んでおりましたCROWNのパワーアンプD-150の修理が連休前に解決しましたので、その記事をレポートします。

1.かなり悩んだCROWN D-150
CROWNのパワーアンプD-150は3月ごろから修理に取り掛かりその8で基板の再ハンダをしたところで止まっていました。
おさらいで観てください。
tomtom1ono.hatenablog.com


2.その8の後の修理の内容まとめ
その8の後、OPアンプの電源周りに関係する様々な内容の修理を行いましたが解決できず、一次ノイローゼ気味になっておりました。それをまとめてみました。

3.専門家からのアドバイス
そんな中、修理依頼された方から、CROWNの修理に詳しい方をご紹介頂きました。
そこで、上記のまとめた内容をその方にお送りし、修理のアドバイスを頂きました。

<回答>
D150Aの歪の件ですが、両チャンネルが歪むとなると電源回路が怪しいとは思います。
電源のブートストラップ回路のコンデンサー不良で歪むことがよくあります。
念のため一度10uF150Vと10uF50Vの電解コンデンサを交換してみてください。

という事でした。
Tomは通常の修理では、経年劣化でNGとなるのは、電解コンデンサと半田の接触不良が原因であると思っています。
なので、通常は真っ先に電解コンデンサを交換するのですが、今回は耐圧が160Vという電解コンデンサであり、手持ちにそんな耐圧の電解コンデンサが無いし、±40Vの電源は問題が無かったので、±10V以前の回路については全くノータッチでした。
まさか、ブートストラップ回路が原因かもしれないとは・・・・・。

4.早速部品を発注!
そこで、注文してから次の日に届くAmazonに発注!
耐圧160V品は無かったので、ちょっと高いけど耐圧450Vの10μFを注文!
次の日、到着しました。

5.電解コンデンサを交換
さあ、電解コンデンサを交換しましょう!

1)10μF160Vの電解コンデンサの容量確認
まずは10μF160Vの電解コンデンサの容量を確認します。

容量は13.6μFでした。容量は十分ですね。

でも、アドバイスでは容量があっても交換してくださいという事でしたので、新しい10μF450Vの電解コンデンサと交換します。

2)電源波形の確認
それでは、-10Vの電源波形の確認を確認します。

まだダメですね。

3)10μF50Vの電解コンデンサの容量確認
次に10μF50Vの電解コンデンサの容量を確認します。

容量はなんと0.07μFです。どうやらこれが犯人の様です。

4)10μF50Vの電解コンデンサ交換
50V 品の電解コンデンサなら保有ていますので、手持ちn10μF50Vに交換します。

容量も大丈夫ですね。

5)電源波形確認
それでは-10Vの動作確認を行います。

<Before>

<After>

  • 10Vの電源は正常に戻りました。

これでOKだと思います。

6.動作確認
いよいよ音声信号を入力し、動作の確認を行います。

結果、歪の無い出力波形を確認出来ました。
これで問題は解決したと思います。

今回の故障の原因は電源のブートストラップ回路の電解コンデンサ10μF50Vの電解コンデンサの容量抜けの為、ブートストラップ回路が正常に働かず、-10Vが50Hz間隔で電圧が少しドロップした事によるOPアンプの歪でした。
連休前に問題が解決し、気持ちよく連休を過ごすことが出来ました。
それもひとえにアドバイス句を下さった、Uさんのお陰です。
本当にありがとうございます。
次回は組付け仕上げとなります。
お楽しみに!